経済問題では、シャッター通り(商店街)をどうするかが重要です。


論文でも、面接でも、地方上級では経済問題について具体的な解答を持っていることが合否に影響すると思います。
具体的な解答があるということは、経済について真剣に考えている証拠になるからです。
地方上級職員として、地域経済は最も重要な問題です。
そこで、地方経済とシャッター通りについて考えてみましょう。

規制緩和によって大型店舗の出店に関して大きな障害となっていた大店法(大規模小売店舗法)が1992~2000年にかけて廃止された結果、大規模商業施設の出店が、ほぼ無審査となった。
これによって既存商店街が、大型資本との競争に敗れて閉店が相次ぎ「シャッター通り」となっている。
商店街は、地域経済の中核をなし、商店主は、地域経済の活性化の中心となる役割を担ってきただけに「シャッター通り」は、即、地域経済の弱体化(疲弊)を意味する。
関東圏では非常に大規模な商業施設が展開されている。アウトレットなどは、シャッター通りを作るというよりも、新規顧客を開拓する核となりえる場合も多い。
ただ、日用品を販売するスーパーが中核となっている大規模商業施設では、シャッター通りが生み出される現象が起きやすい。
これらは住民の居住地域の変動をも招いたが、店舗の陳腐化、非効率化が進み、撤退する施設も生まれ始めて、地域経済は壊滅状態になる場合も見受けられるようになっている。

大規模商業施設は、地域経済よりも本社からの経済効率と利益至上主義による圧力が強いため、非効率化した際は、地域の利益を度外視して撤退することが予想される。
それにもかかわらず、地域経済の中核的な役割を担ってしまう点で、規制が必要だったので、大店法の廃止は「政治の無責任」との批判を免れない。

経済は100年以上の期間、地域の発展の原動力となるべきものだが、大規模商業施設の老朽化、陳腐化は15~20年程度で始まり、店舗閉鎖もそれを目安に行われる。
地域経済は施設閉鎖とともに壊滅的な状況になることが、今後も予想される。

大規模商業施設は地域経済の命運を握っていると言ってもいいが、それが一企業の経営方針によって左右されるから、大規模商業施設が「シャッター通り」を生み出し、数十年後には「巨大な廃墟」を生み出すことが確実だという意見もある。
こうした施設が日本全国で60以上もあるのだから、施設を東京からコントロールする中心企業の経営者が日本の地方経済の命運を握っていると言っても過言ではない。

一商店が閉店するだけでも地域経済に与える影響は大きいのに、大規模商業施設の閉鎖は、まさに、地域経済の破壊につながる。このような巨大施設が前項で62か所もあることを「2030年問題」と言ってもいいだろう。

これから就職する大学生の皆さんにとって「子供のころから親しんだ商業施設」が閉店し、雇用が失われることがどのような意味を持つのかを考える時期になったと言ってもいいだろう。

勿論、閉鎖した商業施設は何年かしたら再度開店するものもあるが、長野のように2007年に閉店し、再度開店するのに7年以上がかかる場合が普通だとしたら、その間に、その地域の経済や流通を誰が担保するのかが不明なまま、一企業によって地域経済・商業が左右される事態に変わりはない。

店舗の老朽化は運営企業だけではなく、店舗の利益率の悪化につながるから閉鎖が促進されるのは否めない。
しかし、大都会の百貨店などのように、売り上げの大半を「外商」と呼ばれる営業販売によって安定化させている場合もある。
そうした企業努力をしないで、ただ「枯れ木に花を咲かせる」ように施設を作り、客を集める経営方法は地域経済を集積するだけではなく、一挙に廃墟化する危険性があると言ってもいいだろう。

まさに、資本主義の「悪い側面」が強調される経営手法であると言えるだろう。

「集客」だけで売り上げをあげる大規模商業施設は、開店から17年程度で最盛期を終える、リストラするという経営者の発言もあった。
「17年で更地に戻して地域に返還する」というのが基本姿勢だとして、それが「地域経済に対して負うべき責任を放棄すること」を意味するのかを確認したいところだ。
地域の経済について責任を負ってきた「商店街」とは違い、キャラバンのように、立地の良いところを「遊牧する」店舗に頼ることが「経営メリット」である以上、資本主義・自由主義の「無責任側面」を規制する必要があるのは明らかだろう。

こうした大規模施設を歓迎するのは若年層だが、また、若年層も大都会に流れていき、地域には責任を持たなくなる。
結局、地域経済は、「大規模施設」をきっかけとして没落をはじめ、さらに若年層も、その大規模施設の「目新しさ」に惹かれて、東京・大阪など大都会に移転する。
30年が経つ頃には、施設が閉店し、若者もいなくなり、結果「廃墟」が残るだけという予測ができる。

この問題をどのように回避するのか。

大規模商業施設よりも、より新陳代謝に対応しやすい、小型・中型店舗は資本投下も少なく、リスクも小さい。
大規模ショッピングセンターが、地域経済に爪痕を残しやすいこと、また、リスクが大きいことを考えれば、小型・中学店舗が合理的で、問題が少ないことは明らかだろう。
小売業は、市場の変動、住民の移動によって業績が変動しやすい業種である。そうした業種の特性を考えれば「大店法廃止+バブル経済崩壊」によって、地域経済が破たんしたように「大規模すぎる商業施設」が地域経済の運命を握る現状には問題があると言ってもいいだろう。

私の住む地域では、私が転居してきた時期から「シャッター通り化」が進み、また、地域の中核的な百貨店、スーパーが経営危機に陥ったために、百貨店は閉店し、大型スーパーはいまだに全面改装できない状態にある。
しかしその頃から、続々と20階以上の高層マンションが建設されて20棟以上にもなり、それにともない人口も数千人ほど増えたことによって、シャッター通りの商店も高層マンションへと生まれ変わり、そこに店舗を出すようになった。銀行や自治体の協力で次世代へと経営が継承されている場合も見受けられる。

「狭い範囲に多くの高層住宅と、教育施設、交通機関、コンビニエンスストアや中規模スーパーなどがセットになっていること」が住民にとって魅力なのだろう。今でも続々と新しい高層マンションが建設されている。
高い利便性のある「コンビニエント住宅街」を形成しているのかもしれない。

かって、昭和の時代に「低層集合住宅+幼稚園・小学校+敷地内商店街」という「団地」が大量に作られたのに似ている。
日本人は「群れる」のが好きなのだろう。
「高層マンション+既存の学校+復活商店街+中規模スーパー」という「新団地」がどんどん生まれていくと、地域経済の将来も見えてくるような予感がする。
6~10階程度の大規模店舗ではなく、1~2階の中規模店舗を増やして、こうした「新団地」の核となる商店街を構成していくことは地域にも企業にもメリットがあると思う。

地方自治体の経済には「特効薬」はない。何世代も、その地域に責任を持って「根付いてくれる」企業や商店が生まれなければ抜本的な解決にはならない。
東京・大阪に本社を持つ、大手小売業が地方にとって助力となるには、地域経済の「脇役」に徹する必要があると思う。
地域の顔、独自性が「東京の鏡」のようになってしまっては「地域経済の未来」は暗いような気がする。

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