模試の受験の仕方


Q : 自分が受験する区分の模試は受けた方が良いのでしょうか?また受けた方が良いとしたら、時間や予算が許す限り全て受験した方が良いのでしょうか?それとも、TACやLEC等、会社を絞って受験するべきでしょうか?ご回答宜しくお願い致します。

このような質問をいただきました。
ので、回答します。


まず、模試の問題は、予備校のスタッフが作っているものですので、本番の問題と同じと思ってはいけません。
本番で、受験生がミスをする理由や、得点が取れない理由は、問題の表現方法や、選択肢の並べ方、そして、選択肢に使われる日本語表記、句読点の打ち方などによって、皆さんが、標準的な日本語を短時間で理解できないことから、生じているのがほとんどだと思います。

思ったように正解できない。あとから考えてみて、間違いだった。などは、焦って読むことによって生じる「ケアレス」ミステイクがほとんどです。

本番の問題は、知識は平均レベルですが、読む順番や選択肢の表現、また、問題自体の並べ方などが、受験生を混乱させるようにできていることから、皆さんがなかなか得点が取りにくいという状況が生まれています。

テニスなどの個人対戦型のスポーツの場合、相手に常に勝ち続けるには、常に「新しいテクニック」や「技術」を習得して、相手に対抗しなければなりません。
しかし、そんなに必殺技を考えることはできませんから、相手に、見せてしまえば、その効果は薄れます。
ただ、その出すタイミングや、また、他の技を使うと見せておいて、その技を使うことで相手を驚かせたり、混乱させることで、相手の実力を出させないようにすることで勝利します。

択一試験も同じです。
毎年同じ科目で試験をするのですから、過去問を検討すれば、満点も簡単に取れるはずです。しかし、それでは試験主宰者は困るので、満点が簡単に取れないようにします。

一番簡単な方法は、受験者の意表をつくことです。

意表を突く方法として、受験生に、毎年、新しい印象を与えることで難易度を維持するのが、公的試験の特徴です。
そして、新しい問題ケイトウを作るのは大体、6年に1回程度。
過去の実例から6年以上浪人して採用になったり、また、合格することが少ないからだと言われています。

浪人生を重視する場合は、前年の問題を良く勉強すると、翌年に類似の問題が出る傾向になります。現役重視の場合は、3年程度前の問題の類似問題が出る傾向があります。

ということで、6年で、一巡することによって、新しい問題を作れる限界が定められているような資格試験や公務員試験の場合、毎年毎年、浪人生を含めて、印象を新たにしつつ、受験者のレベルに応じた合格点を均一にし、さらに、問題の難易度をつけるには、文字の表現や、順番の並べ替え、また、正答率の悪い問題と良い問題とを、適切にミックスして出題することが求められています。

そして、短期合格に必要なことは、この適切なミックスの割合と、並べる順番について、適切な評価をして、さらに、予測することが必要なのです。
だから、私は、受講生に、毎年の過去問を、できるだけその順番通りにやりなさいと命じています。

順番と、読みにくさ、読みやすさ、そして、過去に出ているものとどの程度似ているか、似ていないか、似ている外観であっても、その内実は、全く違う問題になっていないか。などが、受験勉強の本質であり、中核となる情報なのです。

ここまで読んだら、わかるでしょうか?

試験担当者は、高い賃金をもらって、一年間、そういう出題の傾向や、難易度を分析しつつ、問題を作成します。

また、受験者がどの問題を、間違えるかをよく知っていて、問題には、間違えやすい癖をつけることで難易度を調整。
さらに、問題の並び順を変えることで、受験者には問題が易しく感じたり、また難しく感じたり。
知識系の問題では、ほとんど、真偽のわからない情報を問題に混ぜることで、受験生には、受験勉強が足りないとの不安を抱かせ、そして、問題に対しての焦りを惹起させる。

また、ある特定の一人だけをトレースすることも可能で、その受験生の得意分野がどのように変わってきたか、努力によって、どのように成績がアップしたかも、経年で調べることができるのです。

特定の大学を抜き出すことも可能です。願書に、大学を書かなくても、ID登録には書くのですから、大学別に受験者を分類して、中位の大学を抜き出して、どの問題に引っかかり易いかをしることが可能です。

はっきり言って、何年も浪人していれば、その受験者がどのような受験勉強をしてきたかは手に取るようにわかるし、権限があれば、他の自治体での受験成績や面接の状況、印象を聞くことができるのですから、試験官は、すべてを見ることができるし、また、ある特定の問題を得意な人が、どのような人かを知ることすらできるかもしれません。

それと比べて、予備校の試験は…。

浪人した受験生やアルバイト大学生が作った問題。
ただ、受験生を集めて、個人情報を採取することが目的の試験。
セールスに使うために、もっと勉強しなければならないように思えるような、重箱の隅をつつかせるような知識の羅列と、不合格者の頭の中に在る、変な知識を押しつけ的に「これがわからないと落ちる」的に出題される。

そんな模試なら、受けない方が良いと思うかもしれませんね?

ただ、そんな模試でも、それなりに利用法はたくさんあります。

まず、問題をよく読んで、誤字脱字がないか、また、知識に誤解がないかを確認する。
集中力のウオームアップになります。
制限時間内で、自分ができる簡単な問題だけをまず、やって、次に、難易度を上げながら、
怪しい問題は手を付けないようにして、一体何点くらいが取れるか。
また、勉強が進んでいる人なら、これが何年のどこの過去問と同じか、又はそのまま出題されているかどうか、考えながら、正解を出す。

また、出題形式が、県庁ではいろいろあるようですから、それを本番と同じように実施してみることで戸惑わないで済む。
さらに、教養論文が小問1と2に分かれていますが、これを片方だけ書いたのではだめで両方書かなければならないことがわかる。

勿論、問題用紙の最初に、丁寧に書いてあるのですから、それを読めないというのでは、公務員としての資質には欠けるのですが、しかし、緊張して読めなくても、受かるには、事前に模試を受けて慣れておくのも良い。

ただ、その模試の形式が、間違っている場合には、大変なことになるし、また模試が間違っていなくても、説明を読まずにやること自体が、そもそも、危険ですから、結局は、問題の表紙を丁寧に読み、かつ試験官の説明を聞くようにしなければなりません。

小さな市役所の本番の試験方法は、模試では役に立ちません。
政令市も、役に立たない場合があるでしょう。
いずれにしても、試験のやり方については、先輩などから聞いておくのが良いでしょう。

問題に、話を戻すと、
文章理解などは、果たして、出題者が正解とする選択肢が、果たして正解なのか?
これは、本番の問題でも、同じ問いをすることができます。
出題者は、これが正解だと決めれば、それでおしまいです。
特に文章理解では、正解について、一定の根拠がありますが、果たして、その根拠を逆手にとって、予備校程度の人間が、これが正解であるというのはオカシイ。と指摘できるかというと、これはできない。

中学や高校で、国語の授業で、これが筆者の言いたいことだ、と国語の先生が言ったことを、本当に、そう思ったことは一度もない。
それで、自分を責めた時期もあったが、
人それぞれ、考え方や感じ方は違うし、また、50年も前の作家が、これが国語の教科書になると考えて書いたわけではないだろうから、きっと、「僕の言いたいことはこれだよ」なんて記録や証拠があるわけではない。

そんなことに気付いたら、学校の国語の成績はどうでもよくなった。

結局、正解は「闇の中」。

これが模試でも言えるし、また本番でも同じ。
となれば、文章理解については、過去問以外を勉強しない方がいい。
出題者の考え方や癖を分析することだけに注視するのが解決法。
公務員試験では、明確な解法があったし、理論づけもされている。
それが模試でも通じるなら、それで良いし、通じないなら、その程度と思えばいい。
模試で、正答率が何%なんて言ったって、自分は、絶対にそれではないと思えればそれでいい。

本番で、正しい選択肢を選べるようになるには、それくらいの覚悟が必要。

ポイントは、集中力とか、考える練習をするために受けるのはいい。
解説は、自分が知っていることと同じことを書いていてくれれば、いい。
知らないことが書いてあって、それが、ウイキペディアに載っていて、裏が取れれば、
参考にすべき。
それ以上の部分について、勉強を進めることは、あまり得策ではない。

本番の問題は、難しい知識がある選択肢ほど、実は、もっと簡単に正誤がわかる知識が忍ばせてあるものだが、予備校の模試は、難しい知識だけ。
だから、できない。そして勉強したくなる。そして問題集や参考書を買いまくる。

これが、世の受験生の一般的な行動パターン。

模試は、その不安に火をつけるには最適の道具です。

ということで、受けるのは、集中力を高めるためとか、問題のアラを見つけるため、なんてレベルになっている人なら、どんどん受けるのが良い。

私も、浪人時代は模試荒らしだった。景品とか図書券とかもらったが、結局、高得点を取るには、問題作成者のレベルの低さを理解してあげなければならなかった。

きっと、これって、このつもりで書いてるんだろうな。だったら、きっとこれを正解にしてくれってことでしょ。これ明らかに間違いだけど、しょうがないから正解にしておくか。

って感じで、満点を取ります。

それができるなら、「景品狙い」とか、同じ「模試荒らし」同士の優劣を決めるために、模試の成績に一喜一憂するのは、意味があるが、そうでなければ、
成績なんて、気にしないで、どんどん、暇つぶしに受ければいい。

試験の時間を体感して、体に試験のリズムを染み込ませるのに役に立つ。
気分転換には最適です。

ということで、裏側を理解しておけば非常に役に立つのが模試です。
私のDVDを5回以上見てしまって、なんとなく、ダレテイルなら、刺激を受けに行くのも良い。

いずれにしても、なんとかも使いよう。

長々と、書きましたが、公務員試験を受けている人で、予備校には東大生のアルバイトなんていると思っている人がいるかもしれませんが、そんなのいません。
キャリアになりたいのに予備校でアルバイトしていたら、なれるわけがない。


やることが違います。

予備校の模試を「見上げては」いけません。
東大卒の講師(私?)なんてのも、大したことありません。

大切なのは、自分の目で正解を見極める力を身に付けること。
そのために模試を利用するなら、大変役に立つと思います。

ということで、模試の問題も、どこかの私立中学の数学の先生とか、社会の先生が作っていますので、そのレベルで、みなさんの力を判断できるだけの素養があるかどうかを考えて受けるのが良いでしょう。
知識があっても、公務員試験のことは知らない人ばかりです。
そんな人が問題を作ると…。

私みたいな、人間でも、この業界でカリスマなんて言って、いられるのは、この業界にはほとんど東大出身者がいないからです。

そういう業界ですから、「ほどほどに」模試の評価を参考にしておくのが良いでしょう。
とにかく、受験生の皆さんの認識は、自分よりできる人が模試の問題を作っていると思っている、そして、そういう人たちが作った問題ができないことで自信を失っているようですが、それは間違いだと思います。

キャリアの試験問題は、東大出身者が作ることもあると思います。
一般職でも、何十人もの、国立大出身者が作るでしょう。
それと予備校のスタッフを比べること自体が、間違いですね。

できなくても、自信を失ってはいけません。

だから、模試を、それほど重視しない方が良いと思います。
「間違ったモノサシ」で測っても、ちゃんとした長さはわかりませんから。

とにかく、本番の試験で自信を失う前に、模試程度で、自信が揺らぐようなことがあってはいけません。
自信がなくなると、選択肢を選べなくなります。
選択肢を選ぶのに時間が掛かるようになります。そうなると合格は遠のきます。

模試は自信をなくすのに最適の環境です。
本当に受かるべき人が、自信をなくすのが模試ですから、それだけは気を付けてください。

ただ、毎日家に籠って勉強するのは体には良くないので、模試には行った方が良いと思います。
朝早く起きる。試験会場に行く。気楽に解く。気楽に正解を見る。
そして、家に帰って、過去問を100問やる。
それで、結構、集中力が高くなります。

ということで、解答になったかどうかはわかりませんが。
会社を絞る必要もないですし、また、できる限り受ける必要もないです。

使い方だけを注意した方が良いというのが私の意見です。

自信を付けようとして、模試を受けに行って、本番とは全く違う視点から作られた問題をやって、点が取れないからと、自信を落とすのは意味のないことです。

本番で、全く知らない知識を問う問題に出ったときに、やるべきことは、よく読み、そして、自分の持っている試験勘(カン)を使って、問題文に潜んでいる「ヒント」を見つけて正誤を判断することです。

数的で見たこともない問題に出会ったときは、時間を計算し、自分がやるべき問題かどうかを判断し、そして、他の問題の解答を優先する方が良いと気づくことでしょう。

仕事と同じです。

無理難題を押し付ける上司の指示を、すべてやっていては、時間も足りないし、仕事の効率が下がる一方です。
その無理難題を押し付ける「出来の悪い上司」、嫌がらせして退職させようとする「ブラック企業の上司」や、仕事を止めてしまう「クレーマー市民」が、模試だと思います。

うまく付き合う方法を考えて、また、うまくやりすごすことが、試験に求められています。

それと、模試の参加人数は、気にした方が良いでしょう。
500人~1000人の受験者の中で1番になっても、意味がない場合があります。
というのは、浪人していて、ある程度のレベルに達している人は、模試を受けないで本番に臨むからです。
特別区なら上位の300人くらいは、模試を受けないで合格していると思います。
多年浪人している人の多くが、一次は慣れで受かるのです。

それも気にしておいた方が良いでしょう。

結局、過去問に慣れている人間が受かるのであって、
模試で成績が良いから受かるという、大学受験とは、受験者の年齢が違うのです。